第6章 【番外編】休校の2日間
「ねぇ、電気。」
「なんだね奏君。」
「すっごい見られてると思わない?」
「それな。やっぱ体育祭で顔が知られてるんだな。」
ただ電気と並んで歩いてるだけで行く先々の人にすっごく見られる。振り向いて見られもするし中には写真をとる人も。これやばくないか。ネットとかに乗せられるんだろうか。気になってSNSを開けると時事ニュースの爛に私たちの写真が掲載されている。
「ちょ、ちょっと電気。ねぇ、コレ。」
「雄英体育祭決勝進出者の2人がお忍びデート...!?」
「相澤先生に怒られるかもしれない!!」
「と、とにかく逃げよう!」
電気に手をとって引っ張られる。とにかくこの大衆の目から逃げたかった。ごめんなさい、私たち只のお友達なんです、だからそんな暖かい目で見ないで、微笑ましくなんかないから!
「とりあえず大通りは抜けたって感じだな。」
「とりあえずは、ね。ていうか此処ゲーセンじゃん。」
「そ!奏と来てみたかったんだよね。」
そういいながら慣れたようにそそくさと中に入っていく電気。ゲームでもするのだろうかと思えば、やって来たのはプリクラ機の前。
「プリクラ撮るの?」
「遊んだら絶対撮るくね?」
「まぁ、そうだけど。男の子ってあんまりプリクラ撮るイメージ無いんだけど。」
「それは偏見。」
互いに100円玉を2枚出して機械に入れていく。背景とかは全部電気に任せて私は髪と口紅を直す。プリクラ前の身だしなみチェックもまた定番なのだ。
「よっしゃ、行くぜ。」
中に入ってカメラに向き合う。この手のプリクラは大体カメラの位置が低いから一生懸命身を縮ませる。機会が「はい、チーズ!」って言うのにあわせて何枚撮る。
「まって、俺半目ww」
「え、私も半目になってんだけど嘘でしょwww」
「目の大きさは?」
「スーパーボリューム。」
「肌の色は?」
「スーパー美白。」