第6章 【番外編】休校の2日間
「はぁ~...」
疲れた。本当に疲れた。体育祭終了後、打ち上げだとか言う話も出ていたがみんなの疲労もあるので打ち上げもなくなり、おとなしく帰路についていた。あまりの疲れに溜息も出る。
表彰式後、爆豪君にお礼を言いに行ったらとぼけられてしまった。でも、そのときの耳は赤かったから照れ隠しだとわかったらもう、可笑しくて。また「笑ってんじゃねぇ!」って怒られてしまった。
思い出し笑いも程ほどに、響の晩御飯について思案する。もう、響はめんどくさいんでレンチンか、カップ麺。お風呂入って即寝よう。玄関の鍵を開け、誰もいないこの部屋に小さな声で「ただいま。」と呟いた。
「おかえり。」
「へ、?ぱ、パパがなんで。」
「お帰りなさい。」
「ま、ママ!ママ!!」
それは、雄英入学後会えていなかったパパと、10数年ぶりに見るママの姿だった。手に持っていた鞄を投げ捨て母親所に飛び込む。何度会いたいと願ったことか、まさかそんな日が突然にやってくるとはおもいもしなかったのだ。
「ママ、なんでここに?パパがいるのも不思議だけど、連絡一切とれんってパパから聞いてたんやけど。」
「パパから奏が雄英入学したって便りもらってね。初めて返事を書いたの。一緒に体育祭みにいかへんかって。」
「奏を驚かせよう思ってな。喜んでくれてよかった。お前、よう頑張ったな。」
「むっちゃかっこよかったで。自慢の娘や。」
「う、うぅ、ん。1位なれへんかった、けど、また次絶対なるからッ。あえて、よかった。」
私のことが引き金で別たれてしまった二人がまた目の前に居てくれる。これほど心強いことは無い。
空気の読めないお腹が鳴り響いて、二人には笑われてしまったけど私の好きな物ばかり並べてある豪華な食卓に涙を流しながら舌太鼓を打った。学校での話をして、仲が良い4人の男の子を話をすると少しからからかわれてしまった。でも、こういった楽しい食卓も始めてのような気がして、幸せだった。
雄英行って、ヒーロー目指して、よかった。