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ボーダーライン 【爆豪派閥】

第5章 うなれ体育祭


「それではコレより表彰式を行います!」

ミッドナイト先生の声と共に和つぃたち表彰組はまるでアイドルのライブのような登場の仕方だ。最も、そんな晴れ晴れしい舞台のはずなのにここに立っている3人はあまり嬉しさを感じさせるものではなかった。
真ん中の爆豪君は最囲碁まで抵抗して抵抗して、ついには縛られたまま壇上に乗せられた。セメントス先生による超頑丈拘束だ。対する轟君は何か物思いふけっているのか抜け殻のような、心ここにあらずといったところだ。
そして私は優勝できなかった事を悔やんでいるのと同時に、爆豪君との準決勝の後の話だ。私が倒れかけるところを爆豪君に受け止めて貰い、決勝ギリギリまで私の傍に居てくれていたと、切島君から聞いた。決勝後の暴れ具合も兼ねて。

つまりはすごく悔しくて見返したいのに彼にお世話になりっぱなしの私が恥ずかしい。USJのときといい、本当に申し訳ない。

メダルを授与しにオールマイトが登場した。オールマイトはゆっくり私に近づいてねぎらってくれる。

「原操少女おめでとう!君の個性の使い方には毎回驚かされるよ!」

「有難うございます...。」

「悔しいと思う気持ちは大事だ、これからの君の糧となってくれる。今はここに立っている自分を褒めてやってくれ。」

「は、い!」

溢れ出そうになる涙を必死に抑えるため唇をぎゅっと噛み締める。抱きしめてくれるオールマイトの暖かさに甘えてしまいそうだった。

轟君、爆豪君の順で手渡されオールマイトが締めの言葉を口にする。

「この場の誰もがここに立つ可能性があった!!ご覧頂いたとおりだ!競い、高めあい更に先へと登っていくその姿!時代のヒーローは確実にその芽を伸ばしている!!」

最後の最後で締まらないしくじりをするオールマイトには少し笑ってしまった。でも、オールマイトの言う通り今日は私をしっかり褒めよう。お疲れ様、私。




明日明後日は休校、自分の療養と、電気との約束の日だ。何を頑張るでないけど、頑張ろう。











→あとがき、お知らせ。
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