第5章 うなれ体育祭
「へぇ、すごい。良い個性だね!」
突然、煽り野郎の右手から爆破が起こった。爆豪君のソレと全く同じ、続いて切島君の個性。次々とコピーしていく。個性までもなんか嫌味だな本当に!
私たちの間に突如、白色のどろどろとしたものが流れ込み、切島君の足に掛かった、独特のにおいを放つそれは、確かにボンドだ。
「ちょっとまって、今すぐ溶かすから!」
焦る瀬呂君と、目の前で捨て台詞まで吐いていく野郎。爆豪君でなくてもムカツク。本当に、ムカツク。
「まてぇ!待て待て!勝手すんな爆豪ー!!」
そう呼び止める切島君を無視して突っ込む爆豪君。いい、それでいい。
「円場!防御!」
爆豪君の前に突如現れた透明の壁、でもそれは空気中に残されたままだった。
「私の前で置き土産なんて、随分余裕なんですねB組さんはぁ!」
爆豪君の透明の壁を破壊してやれば、煽り野郎の鉢巻を2本奪って戻ってきた。
「まだだ!俺が取るのは完膚なきまでの1位なんだよ!」
「俺らのPも取り返して1000万に行く!」
爆豪君のこういった横暴に応えようとしてしまうのは、無意識に彼のカリスマに惹かれてるところがあるからかもしれない。
「しょうゆ顔!テープ!!」
「瀬呂なっと!」
「戦闘狂女!進行方向に道作れ!」
「原操奏だから!」
瀬呂君のテープでひっぱり、私が水蒸気と土で作ったぬかるんだ道。そして、爆豪君による加速。
常に上位を狙う者とそうでない者の差は大きいということ。
「爆豪!容赦なし~!!」
「ついでにコレも喰らっときな!私からの洗礼だよ」
煽り野郎の周りに付き従う連中を巻き込んで、電撃を放つ。コレも先に説明した作戦の一つ、作戦では常に私たちのほうが上手だったのよ、B組。
「電気が広範囲攻撃は仕掛けてくるのは確実、ヤオモモがいる時点でその対策はしっかりしてると思う。」
「俺らも、それを防ぐ対策をしなきゃいけねぇのか。」
「私なら、その電撃を操れるし防ぐことも出来る。電気が打ってきたのなら、私も同じことが出来る。」
ざまぁみなさい、常にトップを狙うものしか、相手を出し抜くことなんかできないのよ。