第5章 うなれ体育祭
「な、なぁ原操付き合うって何?どういうこと?」
「どういうこと?いい事、なのかな?」
「え!?」
「え?」
あの日、宣戦布告に他クラスの子達が来たときに、私は上鳴君の協力を仰ぎにいったのだ。私の個性でどうしても試したいことがあった。ちなみに、まだ上鳴君には体育祭に向けての特訓だといってないけど、伝わってる物だと思ってる。上鳴君を連れて、放課後自由に使っていいとされている演習場へと来た。
「よし!特訓だ!!」
「え!?俺ちょっとついていけてないんですけど!?」
「え、だから特訓だって。」
「え、」
「え、」
さっきから「え」しか言ってない。何だこの会話。その流れを無理やり断ち切るため、私は鞄からたいそう服を引っ張り出した。
「あ、ぇ!?ちょっと原操さん!?」
「何?制服着たままだと動きにくいでしょ?」
「いや、でも、その着替えシーンは...。」
「私シャツの下Tシャツなんだけど。」
そういうと、上鳴君は口を開いたまま数秒停止していた。はっ!と気付いて、少し残念そうな顔をした後、彼も体操服に着替え始めた。よくわからないけどよかった?のか。もちろん、スカートははいたまま長ズボンはいてスカートを下ろすという女性らしさも何も無い着替え方ですけどね!
私の後ろでしっかり着替えを済ませた上鳴君はやる気十分、といったように何をするのかと聞いてきた。
「あのね、私の個性の発動範囲を確認したいの。それと、体育祭に向けての実践訓練ってやつかな?」
「おっけー、電気君人肌脱いじゃうぞ~!」
「お手柔らかにね。」
そういいながら互いに準備運動を始めた。ストレッチはお互いに助け合いながら。
「原操、お前ちょっと固すぎねぇ?」
「ちゃ、ちゃんと柔らかくするもん!っあ、まって痛い痛い!!!」