第4章 新たなる脅威そして自覚
中心へ向かう途中、オールマイトが来たのが見えた。どうやら間に合ったらしい。私たちも急がなければいけない。戦況が掴めない今は、ただ胸のうちの焦りを押さえ付けるしかない。
「どっけ、邪魔ダァ!デク!!」
「緑谷君どいて!!」
爆豪君と私はモヤの首根っこを持つとそのまま地面に打ち付ける。モヤへの対策というのは、こいつの発言による失態。「全身物理無効」の人間に「危ない」という思考、発言はまず無い。
「くっそいいとこねー!」
「平和の象徴はてめェら如きに殺れねぇよ。」
いつの間にか来ていた轟君によって、真ん中の気持ち悪い巨体は凍っていた。何あのキモイの、センスのかけらもないのね。
「このウッカリヤローめ!」
爆豪君がモヤを押さえ付けながらモヤの正体を暴いていく。至極単純なことなのだ。
「おっと、動かないでよね。私の個性で、貴方自身を特異点にして、永久に帰ってこれなくすることも可能なのだから。」
顔に手をたくさんつけた敵は、世の中が可笑しいだの、なんだのとちゃんちゃんら可笑しい事をよく喋る。何が暴力装置だ、諸悪の根源を正せばそちら側の非なのだ。
「3対6だ。」
「モヤの正体ならかっちゃんが暴いた!」
「俺らでオールマイトをサポートできりゃ、」
「敵を殲滅できる。」
「ダメだ!逃げなさい!」
オールマイトに静止される。轟君に釘を刺されながらも私は大丈夫の一点張り。オールマイトの傷だって浅くはない。
そのときだ、オールマイトから放たれる覇気のような、オーラのような物に抑圧される。この気迫は何?コレが、プロの死線を越える瞬間だって言うの?
ショック吸収の個性を持つ脳みそむき出し野郎に、何発も何発も拳を打ち込んでいく、ショック吸収や、先ほど見せた再生すらも追いつけないほどの力の差。
コレがプロの力?