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ライダー詰めました。

第1章 大人になるとすること(ドライブ)※


「、子供の作り方を教えてくれ」

「…え?」


唐突に、それはそれはなんの前ぶりもなく、チェイスは初めて見るものを「これはなんだ」と尋ねるようにさらりとそんなことを効いてきた。

誰の入れ知恵だ。と問い詰めたくなるのを一旦おさえ、私がこれまで色々と我慢してきたことを吐き出せる機会なのかと、無垢なチェイスの顔を見て少しだけ思ってしまった。

付き合っている訳ではないけど、私にとってチェイスは既にただの仲間という認識ではなく、想い人なのだ。

「…霧子さんには聞いてみたの?」

「初めは剛のところへ行って聞いた。そうしたら、剛がのところへ行け。というから、来たのだ」

わざわざ剛が姉に子作りの方法を聞きに行くように向けるわけがないけど、もし剛が私じゃなくて霧子さんのところに行けって言っていたら、もしかしたらチェイスは今頃霧子さんと…

「…簡単じゃないの。子供を作るのは」

「…そうか。だが、俺はやってみせる」

まるで、敵と戦う時みたいな強い眼差し。
そんな目で見られても、子作りには体力以上に大事な事がある。それが、私では貴方の相手になれない理由。

「やってみせるって…
あのね、お互い愛し合った男の人と女の人がいて、やっとできることなの。チェイスが好きな人と心を通わせないと、できないの」

「…心を、通わせる」

稀に見る、チェイスのオウム返し。
心を通わせるのは人間だって難しいのに、無表情で不器用なチェイスはもっと難しそう。

「そう。だから、こういうことは」

「それなら、も俺の心を感じてくれ」

「…チェイス?」

どうしてそんなに真剣な目なの。
違うよ。私じゃなくて、もっとチェイスの優しさに釣り合う素敵な女性がいるでしょ。

「…好きな人と心を通わせる、だろう。
俺はが好きだ。…子供も、作れる」

ぎゅ、と握られた右手を見つめて涙が溢れそうになる。
あれ、私幸せすぎない?夢じゃない?本当は、霧子って言ってない?
心の中であれこれ考えてみても、チェイスは何もかもを透かして見るような目で私を見つめていた。

「…ありがとうチェイス。私も、」

に、とはにかんで見せるとチェイスも笑った気がした。
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