第8章 セブタン島
「、そのぬいぐるみどうしたの? かわいいね」
ウニは話をそらす作戦に出た。あっさりは引っかかった。
「うん! キャプテンに買ってもらったの。もこもこ海賊団の船長だよ」
ぴょこぴょこぬいぐるみの手を動かして、は「ミニベポだよ」と上機嫌で紹介する。「、俺を船長にしてくれるって言ったのに……」ベポがショックを受けるが、マリオンが「ベポ、この海は弱肉強食なんだよ」と残酷な真実を告げる。
「キャプテン、を物で餌付けするのやめてくださいよ……」
ペンギンがいないのでシャチが代わりに小言を言う。
ローは顔をしかめた。
「仕方ねぇだろ。なんでも言うこと聞くって言った結果、ねだられたんだから」
「なんでそんな話に?」
ゴンザに尋ねられ、ローは首をひねる。よくよく考えたら理不尽な話の気がしてきた。
「に護身術教えてたら、嫌いって言われた」
「ち、違うよ! キャプテンが意地悪したからだよ!」
いじめられたんだとは必死に弁解した。
「キャプテンだって悪ふざけが過ぎたって言ったもん。だから何でも言うこと聞くって言ったんだよ」
「それはキャプテンが悪いスね」
「どうせまた大人げないことしたんでしょ」
「ダメだよをいじめちゃ」
みんなに責められてローは憮然とした。
「だから何でも言うこと聞いて小さいベポも買ってやったんだろ」
しょんぼりと「俺もに嫌いって言われた」とベポが肩を落とす。
「だってベポ、私を裏切ってキャプテンの味方したから!」
みんなは白い目でベポを見た。
「それは嫌いって言われても仕方ないな」
「うんうん。女の子の味方しないなんてサイテーだ、ベポ」
ベポはがっくりうなだれ「すいません……」と珍しく正当に謝った。
「ベポベポ。もう怒ってないよ。落ち込まないで」
「本当? に嫌われたら俺ショックで痩せちゃう」
それはない、と即座にみんな否定した。