第4章 涼太と引き離された日々
「嘘だろう。もう一生黄瀬とは会えないのか?」
「そうだよ。君はもう二度と黄瀬君には会えないの。」
「そんな・・・俺・・・涼太と会えないなんて嫌だ・・・。(涙を溢し)」
「君の泣き顔もとっても美しいね。」
「俺・・・涼太に会えるなら死んでも良い。だから・・・涼太に会わせて・・・ちゃんとお別れを言わせて・・・。」
「自分が死ぬと分かってても黄瀬君が良いだなんて言うんだね。」
「俺がこの世で愛してるのは涼太・・・だけだもん。」
「苦しいよね。追加の薬を打ってあげるね。」
「いらない・・・。涼太にも会えなくて薬漬けにされるくらいなら死ぬ方がマシ・・・。」
「嘘吐き。死にたくないくせに強がっちゃって。」
「嘘・・じゃないよ。薬漬けにされてボロボロになった俺を涼太には見られたくないもん(声が震え)」
「声が震えちゃって可愛い。大丈夫だよ。苦しいのは初めのうちだけだよ。何回も打っているうちに気持ち良くなって僕のことしか考えられなくなるからね。」
そう言うと男の子は俺のことを押し倒してきてさっき打ったところと同じ場所に注射した。
「どうして・・・はぁはぁはぁ。俺なんかを好きになったりしたの?」
「人を好きになるのに理由は必要かな?僕は必要ないって思うんだけど架音が気になるって言うなら話してあげるよ。最初はね。架音、君はただの憧れの存在だったんだ。架音はバスケでとっても輝いてさ。僕も架音のようになりたいって思ってた。でもね。架音はいつだって補欠の僕より同じレギュラーの黄瀬君とばかりいた。それを見ているとイライラした。最初はイライラの原因が分からなかってけど架音が黄瀬君と空き教室でキスをしているのを偶然見たときにはっきりと分かった。架音が黄瀬君と一緒にいるとイライラするのは僕も架音を好きになってたからだってね。」
「そ、そんな・・・。てか琉斗なの?」