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届かないとしても

第3章 大嫌い!


「この野郎あのクソ男!いつか絶対に返り討ちにしてやるんだから!あれが女子にすること!?」

あ、こんにちは。優です。
今は学校の帰り道です。
何故私が一言目からこんなに怒っているかと言うとですね。
そうです。あのクソ男です。

なんなんだ一体。人前でスカートめくるなんて有り得ない。今日に限って毛糸のパンツだし!
あっ違いますよ?今日はたまたまですたまたま。寒いからお腹冷えるかなって。
いつもはセクシー(?)な下着です。

クソ男と言うともっと酷いことされそうなので心の中でそう呼んでいますが私のスカートをめくった張本人は悠斗。
クソ男のくせに無駄にかっこいい名前。
死んでも言ってやらないけどね。

あいつは毎日何かしら私にイタズラを仕掛けてくる。
年下のくせして呼び捨てだし、すぐガキとか言うし。ガキはお前だ!

この前なんて上手くセット出来た髪をぐしゃぐしゃにされたのだ。あれものすごく時間かけたのに。

思い出したらまた腹立ってきた

「くっそ~あいつ、好きな子の前で醜態でも晒してくれないかな。それとも…」

「あいつって誰?」


聞き覚えのある声だな

………ん?


「うわっ出たよ!」

急に出てくるなよ。私は不意打ちは苦手なんだ。

「そんなに見つめてどうしたの?惚れた?」

「馬鹿言わないでよ」

「で、あいつって誰?」

「………あんたの事よ。好きな子の前で醜態でも晒してくれないかなってね!」


「何、優そんなこと考えるくらい俺の事好きなの?」

なんなんだ。どうしたらそんな考えに行き着く。

「……………」

もう無視してしまおう。ほら、もうすぐ家に着くしね

よし、このままさっさと家に入ろう。

「お邪魔しま~す」

は!?

「いやなんで入ってくんのよ!」

「いいじゃん別に。あ、おばさん、お邪魔してます」

そこでちょうどお母さんが洗濯物を抱えながら出てきた。
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