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君は小生の宝物/葬儀屋/黒執事

第17章 最終章・君は小生の宝物







「人間とは欲深い…強欲な生き物だ…何を手に入れても、どんな地位を得ても、満足する事はない。実に愚かな存在だ…でも、小生も…とても欲張りな愚か者だって事に気づいたんだ。…それは、君と出会ってからね。」




「(アンダーテイカーさん……?)」



「マリアンヌがそこまで言うなら小生は取り返しのつかないお願いをするけど…いいのかな〜?」



「(私にできる事でしたら…何でも…)」



「本当にいいのかい〜?ヒッヒッ…」



「(はい…私がして差し上げられる事でしたらなんでも…)」







すると、上がっていた口角がスッと元に戻り、真面目な表情になるアンダーテイカー。



今までずっとしてもらってばかりだった。その上10年もの間目覚めるのを待っていてくれたのだ。

マリアンヌは自分にできる事ならどんな事でもアンダーテイカーのためにしてやりたいと思った。






「そしたらマリアンヌ。君の全てが欲しい…今の君だけじゃあない。過去も、未来も、来世も、全てだ。小生は君の魂ごと全てが欲しいんだ。」




「(………!?)」




「小生は死神だ。どれだけ愛し合っても、マリアンヌとの間に子供ができる事はない。人のナリをしているけど、小生は死神だからね…だから、今世では死ぬまでの時間を小生と生きて欲しい…来世でもし人間として生まれ変われたら、必ず君を探して見つけ出す。そして君を愛すると誓う。だから、未来も来世も…小生の宝物としてずっと側にいて欲しい。そして、来世では小生とマリアンヌで幸せな家庭を作りたい。それが小生の願いだ。」



そう言うと、そっとマリアンヌの手を取りその甲に唇を落とした。



「(……アンダーテイカーさん……)」



アンダーテイカーの願いに、マリアンヌの胸はドキドキと高鳴り、騒ぎ出す。


触れた唇からは、アンダーテイカーの溢れんばかりの愛がマリアンヌの中に流れ込んだ。



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