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君は小生の宝物/葬儀屋/黒執事

第16章 それぞれの真実






シエルは10歳の誕生日の日に大切な両親を惨殺された。

運良く生き残ったシエルも人身売買の売人に捕まり、悪魔を崇拝する秘密結社の集団に売り飛ばされたのだ。


悪魔への貢物として、烙印を押され、淀みと穢れをその魂にためこむという名目で連日シエルは彼らから無慈悲な辱めを受け続けた。



そして時が満ちた満月の夜。



背徳の悪魔の貢物として、その命を捧げる日がやってきた。



シエルは憎み恨んだ。

両親を殺した奴らを…使用人を殺した奴らを…自分を連れ去った奴らも…こんな所に連れてきた奴らも…陵辱した汚い奴らも…

自分をこんな目に遭わせたこの世の全てを恨んだ。

そして絶望し、神の存在さえ否定をし叫んだ。




そんな時、現れたのが悪魔のセバスチャンだった。




セバスチャンを呼び寄せたのは他の誰でもない、負の感情に支配されたシエルだったのだ。




シエルがセバスチャンに願った事は3つ。


絶対に嘘を吐かない事。

命令に絶対服従である事。

復讐を遂げるまで裏切らず守り抜く事。



そして、その契約が完了したらその魂はセバスチャンに報酬として差し出す事。




晴れて契約が整った2人は、お互いに本物の伯爵と本物の執事になるために猛特訓が始まった。


シエルは語学に嗜みに政治経済。

セバスチャンは紅茶の入れ方に料理に執事としての振る舞い。


互いに厳しく採点をしながら“それらしく”なったところで、アンダーテイカーがヴィンセントの墓参りにやってきたのだ。











「(シエルさん……)」



そこまで見ると、シエルとセバスチャンの壮絶な出会いに何も言えなくなってしまったマリアンヌ。




「君なら伯爵を守ってくれると思ってたよ。さすがは執事だねェ〜。」



セバスチャンのシネマティックレコードに気を取られていたマリアンヌだったが、フロアを見ると身を呈してシエルを守ったであろうセバスチャンが床の上で目を閉じていた。


アンダーテイカーのデスサイズの攻撃で死んでしまったのだろうか…


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