第15章 その瞳の燐光
「あぁぁぁぁぁぁ!!もぉ、アイツ殺っちゃいません??」
「さっきアタシの事止めたわよね!?アンタも謹慎くらいたいワケ?!」
動く死体相手に手一杯だというのに、気持ちよく悦に入り何もしないドルイット。
グレルもロナルドもイライラはピークだ。
「アンタ!!さっさと装置(ソレ)動かしなさいよ!!」
「ふっ…いいだろう、いよいよ建国の時だ。さぁ皆の者!皇帝(カイザー)への忠誠を誓うフェニックスの舞を見せてくれたまえ!!」
ーやっぱ殺そうー
どこまでもナルシストなドルイットに、シエルもセバスチャンもグレルもロナルドも冷めた視線を向ける。
マリアンヌも変わらずゾワリとした寒気に襲われていたが、アンダーテイカーだけは楽しそうだ。
「ぐっひひ…おやおや、あの装置がなんなのかわからず仕舞いでいいのかい?ヒッヒッ!!」
「どうしたんだい!?さぁ!!」
すると、4人は渋々と口を開く。
「か…完全なる胸の炎は…」
「何者にも消せやしない…」
「我ら、新しき…」
「「不死鳥(フェニックス!!!)」」
「よろしい諸君!見せてやろう、私にひれ伏す死の軍団を!!」
彼らの躊躇いのないフェニックスポーズに満足したのか、ドルイットはようやく装置を起動するため高々と左手を上げた。
ーカチッー
ーし…………んー
「え?」
「あれ?」
「ん?」
一瞬ラウンジ内が疑問符と共に時が止まるが……
『ぐおおおお………!!!』
「(キャアア!!!)」
「ノーーーーーンッ!!」
動く死体は止まるどころか、不気味なうめき声で大口をあけて迫ってくるではないか。
「どういう事だ?!」
この装置で動く死体は活動を止めると思っていたシエル達は戸惑い焦る。