第14章 アウローラ学会
日が沈み、窓の外が暗くなってくると、アンダーテイカーはマリアンヌを抱き起こし、バスルームへと連れて行く。
しかし、マリアンヌは気怠そうに立ち上がり歩き方もフラフラだ。
「大丈夫かい?小生はマリアンヌのドレスを用意しているからシャワーを浴びておいで。」
フラフラとしていたマリアンヌを気遣ったアンダーテイカーだが、振り向いた顔は穏やかな表情ではなかった。
「(だ、大丈夫なんかじゃ…ありません…!私、もうできませんって…何度も言ったのに…アンダーテイカーさん…酷いです…)」
「えぇ〜そうだったっけ〜?」
少し前屈みになりながらもアンダーテイカーの方を向くと、マリアンヌはむすくれた顔でぷりぷりと怒り出した。
いつもいつも都合の悪い事はとぼけて有耶無耶にしようとする。
夜には集会があるのをちゃんと知っていたマリアンヌは、ベッドに沈められながらも必死に訴えたのだ。あれだけ訴えたのだからアンダーテイカーも分からない訳はないし、知らない筈もない。
だが、毎度毎度のこの態度。
マリアンヌはアンダーテイカーのそんな態度に怒りをあらわにしたが、当の本人にはあまりこたえてない様子。
「おやおや…そんなに怒らないでおくれ?でもマリアンヌ…怒った顔も可愛いね〜。小生…なんだかそんな怒ったマリアンヌも可愛がりたくなってきてしまったよ…」
そう耳元で囁きながらマリアンヌの背後にピタリとはりつくと、白くて細い足を厭らしく撫でるアンダーテイカー。
思わずマリアンヌの身体もピクンと反応してしまう。
「(あ、あぁ……)」
こんな場所でまた欲望のままに愛されたらマリアンヌは例の集会どころではなくなってしまう。
「(も、もう!いいです……?)」
マリアンヌは必死にかぶりを振り、アンダーテイカーから距離を取ると、逃げるようにバスルームに入っていった。
怒りをあらわにしても、それすらも逆効果になってしまうアンダーテイカー。
決して嬉しくないわけではないが、完全にお手上げ状態だ。
マリアンヌは顔を真っ赤にさせながらバスルームの扉を閉めると勢いよくシャワーの蛇口をひねった。