第12章 ヤブレ血マミレ処女航海、いざ出航
「(ん……んん……)」
アンダーテイカーの舌が突き上げる様に侵入してくる。
いきなりの深い口付けに思わず背中が仰け反りそうになったが、マリアンヌの手を握っていたアンダーテイカーの手がそれを許さなかった。
後ろに下がろうとするマリアンヌにアンダーテイカーは握っていた手を離すと、その両手で二の腕辺りを掴み直し逃げ道を奪う。
両腕を捕まれ逃げられなくなったマリアンヌは、少し前に屈む様な姿勢でアンダーテイカーから深く深く唇を奪われた。
「あんまり可愛い事言ってくれるから…小生、予定を変更したくなっちゃったよ……」
「(え…あ、あの……)」
息苦しくなった所でやっと解放されたが、告げられた言葉はなんとも嫌な予感がするもので、マリアンヌは口をパクパクとしながら身構える。
「もう、夜まで待てそうになくなっちゃったから…先に少しだけマリアンヌを頂く事にするよ。」
「(あ…そ、そんな……ダ、ダメです……)」
「ダメって言われてもなぁ…小生困っちゃうよ〜」
ブンブンと首を振っているマリアンヌに見ないフリをしたアンダーテイカーは、二の腕を掴んだまま立ち上がると引っ張るようにマリアンヌも立ち上がらせた。
「(??アンダーテイカーさん??)」
するとアンダーテイカーは立ち上がったマリアンヌの背後に周り、壁際にじわじわと追いやる。
「ここに手をついてごらん。」
「(???)」
マリアンヌを壁と向かい合わせにすると、アンダーテイカーは背後からマリアンヌの手を壁に誘導した。
わけが分からず振り向こうとすると、背後にピタリと張り付いていたアンダーテイカーがぎゅっと腕をまわしてマリアンヌをキツく抱きしめてきた。
「(アンダーテイカーさん…?!)」
「捕まえたよ、可愛い可愛い小生のお姫様…もちろん、逃がしてあげるつもりなんて、ないからね。」
色っぽい吐息を含んだアンダーテイカーの低い声が、マリアンヌの鼓膜の奥を揺さぶる様に刺激をした。
「(そ、そんな…)」
完全に捕らえられたマリアンヌ。もう逃げる事など不可能だ。