第2章 ミサンガの意味
それから飛影はよく家に来るようになった。
私はそれが楽しみでしょうがなくなってその度に茶菓子を用意した。
今も彼が隣でソファに凭れ掛けている。
「ねえ飛影は、なんで私の所に来てくれるの?」
勇気を振り絞り聞きたかったことを聞いてみた。
「!」
飛影は驚いていた。
そして少し俯いて小さい声で
「…わからない。」
と言うだけ
自分のことを別になんとも思っていなかったのだろうか
そう思うと悲しくなった。
「どうしてミサンガや私の名を知っていたことを聞くと黙るの?」
「それは…お前には関係ない」
目を逸らす飛影。
「関係なくないよ!気になるよ、もっと知りたいよ!」
ムキになって立ち上がった。
「…」
飛影は私の目を見ると窓から去っていった。
「っ…バカ…」
涙が溢れてきた。
私もあんなこと聞かなきゃよかったのだろうか。
知ることが幸せとは限らない。知らない方が幸せってこともあるのかも。
その時後ろから気配がした。