第11章 後日談ーデート編ー後ー
レストランを後にした二人は街の色んなところに廻った。
優愛は、いつまでも笑顔だったが
飛影は何に関しても無関心を貫いていた。
「う〜ん中々飛影の心に響くものは無いね」
「必要無いからな」
「そっかー…」
「優愛」
「ん?」
「来い」
歩き出した飛影について行く。
そんなに歩いてないが気が付くと海辺の公園に着いた。
人はそんなにいなくて静かで潮の音と風が二人を包む。
「潮風が気持ちいいね」
「…」
飛影は黙っていた。
優愛は海辺に近付きしゃがんで透き通った海水をそっと両手ですくう。
「海は母の涙…なんてロマンチック過ぎるかな」
照れて笑う優愛に近付く飛影。
「靴…濡れるぞ」
「わぁ!危ない危ない…ハハハ」
「…お前はこういうところは好きか?」
「え?海のこと?」
「…静かで平穏で自然の風に包まれていて…腐った血と肉が混ざりあった匂いなんて欠片もしない…」
「それって…」
「俺はお前と生きてきた世界が違う。薄汚れたものさ。俺の生まれなんか反吐が出るものだぜ。」
「…飛影」
輝く水平線を切なそうに眺めている飛影を優愛は見上げる。そして思い立ったように立ち上がる。
「飛影!アイス…食べよ?」
飛影は少し驚いた顔をしていた。