第1章 再会の約束
優愛という人間と会ってミサンガという飾りのようなものを着けられてから俺はそれを意識するようになった。
軀には、らしくないとバカにされ、他の妖怪たちも嫌味ったらしく笑っていた。
こんなもの取ってしまおうかと思った。だがミサンガに触れるとふとその気がなくなってしまう。
氷泪石と同じようで違う安心さというものが心に宿る。こんなに心を乱すのならいっそ思い切り魔界の炎で燃やすかとも考えたりもした。
結局俺はミサンガを手放せずに魔界パトロールを続けていた。
その最中、妖怪を相手に戦っていたのだが
ちょっとした油断でミサンガが手首から離れてしまった
だが氷泪石の二の舞はしない。
昔の俺とは違う。
失わないようにミサンガを手に取るがそれに集中しすぎて俺の体は崖へと落ちて行った。
そんな高い崖でもなかったと思う。体中にそれなりの痛みは走ったが痛みに堪えて瞑ってた目を開けると
人間界にいた。
空は青い。
どうして来てしまったのかを考えるよりもとにかく魔界に帰ろうと立とうとした。
その時
「大丈夫ですか!?」
一人の人間の女が慌てて近づいてきた。
「…ほっとけ大じょっ…っつ!」
「!救急車呼びましょうか?」
女は携帯電話を取り出す。
「よせっ構うなっ!」
差し出された手を払い、キッと女の顔を睨む。
「あの…何か事情が?」