第5章 想起3
平和な日々が続く。
「飛影〜何が良い?お茶?オレンジジュース?」
「…お茶」
そんな何の変哲もない会話が流れる。
相思相愛だが言葉にはしてなかった。
でもこの感じが幸せだからいいかと思う2人。
飛影の手首には紅いミサンガが巻いてあった。
優愛はお茶をテーブルに置く。
2人は肩を並べ、テレビを見る。
テレビには恋愛ドラマがやっていた。
恋人がもどかしい距離にいて中々発展しないそんな内容だった。
偶然とはいえこんなのを2人で見てしまい優愛はドキドキしてしまう。キスシーンを見た後、居ても立っても居られなくなり、お茶を入れ直そうと立ち上がろうとした。
その時
パシッ
「飛影っ?」
飛影は優愛の腕を掴む。
「優愛…」
2人の目線が合う。
真摯的に見つめられて戸惑う優愛。
飛影はゆっくり優愛の顔に迫る。
唇が重なりそうになった時
ピーンポーン
間が悪く玄関チャイムが鳴った。
「っ!!」
慌てて離れる2人。
「はーい!」
優愛は玄関へ向かう。