第24章 若月と小狐
小狐丸「その様なお言葉は、この小狐には似合いませぬ…」
少し淋しげに顔を背けてしまう小狐丸。
その頬を両手で包み込み、此方へと向かせた。
主「小狐丸は素敵なの、良い子なの!私の家族に悪い子なんて居ないんだからっ」
そう言ってムスッとして見せる私に、小狐丸はというと…。
小狐丸「ぷ…くく…っ。ぬ、ぬし様は、怒られても尚…お可愛らしいのですね…く…ふふっ」
主「なっ!?今私は怒ってたの!笑うとこじゃなーっい!」
小狐丸「何をされていても、どんなお顔をされていても…私のぬし様はお可愛らしいのですよ…っ」
私が怒っていると、再び唇で唇を塞がれてしまう。
今度は触れるだけの、優しい口付け。
唇が離れると同時に、小狐丸の身体も離れた。
抱かれていた為か温かかった身体に冷たい夜風が当たり、身体を冷やしていく。
小狐丸「ぬし様…私は心よりぬし様をお慕い致しております…」
そう言うと、小狐丸は広間では無く自らの部屋へと帰って行った。