第23章 天使な小悪魔
散々二人に撫でられた後、まだ言い合いを続ける長谷部達に話し掛けようとすれば、蛍丸に袖を引かれた。
蛍丸「今話し掛けちゃもっと騒ぐよ、あの三人」
主「うぐ…確かに」
愛染「まだ回らないといけない所あるんだろ?主さん」
蛍丸「ほら、行って来なよ」
二人の言う通りだ。見れば、薬研と燭台切が二人で食事をしていた。
二人か…静かだな。
主「分かった。じゃあ国俊、蛍丸。私、行って来るねっ」
蛍丸「行ってらっしゃーい」
ゆるゆると手を振る蛍丸に気付いた三人が、何やら再び騒ぎ始めていた。
~ * 蛍丸と愉快な刀剣達 席 / 蛍丸目線 * ~
加州「あ、蛍丸だけ主と話して狡い!」
蛍丸「俺だけじゃないもん。国俊だって、主と話したよね?」
愛染「うえっ!?あ、ああ…うん…」
あれ?何で顔青くなってんの、国俊。
長谷部「主…ああ、貴女って人は!この主お世話係である長谷部を、共に連れて行って下さらないなんて!!」
加州「いや、近侍は交代って決まったじゃん!」
亀甲「ふっ…まあ、僕は後でご主人様から褒美を頂くから。今は我慢しておくさ」
皆、勝手過ぎ。
主…皆の所回って疲れたりしてないかな?
はーあ、本当はもっともっと話したかったんだけどな。
蛍丸「知ーらない。俺、国行連れて部屋戻るからねー」
さっさと部屋に戻ろう。
にしても国行…よくこんな騒がしい中で寝れるよね。俺だったら、無理。
寝ている国行を持ち上げ広間から出た。
愛染「あ、蛍丸!俺も戻る!」
後ろから駆けて来た国俊と一緒に、部屋に戻った。