第22章 賑やかな夕餉
主「さーよちゃん、呼んでくれてありがとう!」
小夜の隣に腰掛け、少し俯く小夜の顔を覗き込んだ。
すると、少し遠慮がちに顔を上げた小夜が口を開いた。
小夜「あの…これ、さっき兄様と見付けて。主様と一緒に食べたいんですけど、あの…時間、良いですか?」
見れば、小夜の小さな手には、既に切り分けられた柿が小鉢に盛られ乗っていた。
か、可愛い!!柿を一緒に食べたいと、私を呼んでくれたの!?
あああ…私は何て幸せ者なんだっ!
主「食べる食べる!小夜ちゃんと一緒に食べられるなんて、幸せだよぉぉっ!」
小鉢に当たらない様に小夜を抱き締め再び身体を離すと、菓子串に刺した柿を一切れ、口元に差し出された。
小夜「主様…口、開けて下さい」
~~~~~~~~っ!!!!
か、可愛い…っ!!!
悶絶していると、不安気な小夜が顔を覗き込んで来た。
小夜「柿…嫌いですか?」
主「わああ、そんな顔しないで!!柿大好き!今、大好物になった!!はむっ」
ぱくり、と柿を口で受け取り咀嚼する。
甘いけどさっぱりしていて、固めだからか噛む度に果汁が溢れる。
小夜「…どうですか?」
主「小夜ちゃんに食べさせて貰える柿は格別だよ~~~!!美味しい!もうね、これさえあれば生きて行けるくらい美味しかったよ!」
小夜「良かった…」
言うと、パァッと表情を輝かせ少し俯いてしまう。
しかし俯いたままでも、微笑んでくれているのが口角の動きで見て取れた。
可愛い…もう尊い!