第13章 体育祭
いや、双子みたいだなんてめちゃくちゃ可愛いけど、今はそれはどうでもいい。
やる気ってなんだ。
アップしたのは2人の可愛さだ。
滝沢のやつ、どういうつもりだよ!?
「翔ちゃん?……これ、やっぱり変?」
脳内で滝沢へ文句をぶつけていたせいで、つい黙ってしまっていたら、カズが不安そうな顔になってた。
いけない!カズにこんな顔させるなんて!
「変じゃないよ!すごく似合ってるし、すごく可愛い!」
ひとまず滝沢のことは置いておいて、慌ててカズに向き合う。
滝沢の真意はさておき、カズが可愛い事実は変わらない。
「本当?」
「本当!めちゃくちゃ可愛いよ」
「…えへへ♡」
褒められたカズはポンポンを持った手をほっぺたに当てて照れている。
なにその可愛い照れ方!!
「こんな可愛いカズに応援してもらえるなんて、俺は幸せだな…今日は負ける気がしないよ」
思わずしみじみと呟いたら
「じゃあ俺、頑張っていっぱいいっぱい応援するね♡」
嬉しそうににっこり笑ったカズが、胸の前で小さくガッツポーズを作った。
ああ、もう!いちいち可愛い!
カズの可愛さに身悶えていたら
「お疲れ!翔!潤!」
「強かったね!敵なしだったね!」
ニヤニヤした滝沢や斗真たちが声を掛けてきた。
「おい、滝沢!お前どういうつもりだよ!」
すぐに滝沢をとっ捕まえて、カズたちから少しだけ離れる。
「どういうつもりって?」
わざとらしく首を傾げる滝沢の肩をガシッと抱き、カズたちに背中を向けた。