第13章 体育祭
ーNsideー
すぐに体育祭の練習が始まった。
朝と放課後。
学校全体での練習日は体育祭直前にちゃんとあるし、体育の授業でも体育祭の種目をやったりするんだけど。
それとは別にクラスやチームごとの練習をやるんだって。
みんな真面目というか、熱いというか…
でも文化祭の経験から、みんなで一緒に何かを成し遂げるのは楽しいって学んだし。
もともと朝は翔ちゃんと一緒に早い時間から学校にいるから、朝練も別に苦じゃない。
2人きりで過ごせる時間がなくなっちゃうのは残念だけどね。
テスト前でもないのに、放課後も翔ちゃんと長く一緒にいられるのは嬉しい。
俺は全員参加競技の練習だけだから特別大変じゃないし、毎日参加する必要もない。
でもいつの間にか翔ちゃんはたくさん出ることになってて、なんだか大変そうで…
翔ちゃん運動出来るから、頼られちゃったのかな。
本人は気にした様子もないから毎年のことなのかも?
潤くんも出場種目が多いっぽいし。
人気者は大変だねーなんて智と話したりして。
もちろん翔ちゃんの練習には全部付き合った。
出番がない俺がいても邪魔かなって思ったけど、翔ちゃんは喜んでくれてるみたいだったし。
みんなも何も言わないから、端っこで静かに見学してる。
でもね、カッコよく活躍する翔ちゃんがたくさん見れるのは単純に嬉しいけどね。
男子校だからかな?
けっこう激しめの競技も多くて、ちょっとハラハラする。
練習でこれなら、本番はどうなっちゃうんだろう。
ケガしないよね?
約束してくれたもんね?
………約束///
翔ちゃんのくれた“約束の証”を思い出すと顔が熱くなる。
いつもの指切りじゃないんだもん。
指先へのキスを思い出すだけで動悸がヤバい。