第2章 うらたぬき*君が離れないように
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ベッドの端まで歩いて来たと思うと、彼は半身を起こしていた私を再びシーツの上へと寝かせてその上に馬乗りになった。
うらたくんの瞳と視線が交わる。
「っう、うらたくん⋯⋯どうしたの?なんか変だよ⋯⋯」
「俺はいつもこんなだよ?それに⋯⋯
今回は俺の事嫉妬させた凛が悪い」
ハッと息が詰まる。
真っ直ぐに私を見ている彼の瞳。
喰われる、このままだと喰われてしまう。そんな気がした。
「すき。好きだよ凛。でもさ、凛は気づかなかったよね。俺がどんだけ凛のこと好きで愛してるかって⋯⋯」
「ぁ、う、うらたく⋯⋯っ」
「もういいよね?俺、ずっと我慢してたもん」
その言葉の後、彼の熱い舌が首筋に這わされた。
突然のことに驚いて「ひゃあっ?!」と声を上げればねっとりとした感覚が無くなった代わりに唇へと熱が移動した。
「んぅ⋯⋯ふ、ぁ⋯⋯っ」
舌先にチロリとうらたくんの舌があたり、引っ込めようとすると絡め取られた。
押し返せば更に深く口付けられて身体の中の酸素がどんどん失われていく。
くちゅくちゅ、と卑猥な音が静かな部屋に響いていた。