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【刀剣乱舞】波乱万丈、犯罪都市【名探偵コナン】

第30章 〜緋色の欠陥、晒される過ち〜





件のお化け屋敷が畳まれてから数日後、沖矢は不安げな表情をしているコナンと喫茶ポアロを目前にして歩道の建物沿いに向き合うように立っていた。ポアロは透明な窓ガラスに大きくアーチ型で店名を赤く書いているが、大部分を余白で占めているので正面の沖矢越しにコナンが店内を観察しながら冷や汗を流す。中は客と店員か一人だけで空いているが、その二人の面子が最悪の一言に尽きた

なんとこんな日に限って店員は安室一人、客人の方は沖矢にとって神社以来で初めて見かけた加州清光である。元はコナンと沖矢でお化け屋敷に謎を解明しようと訪れていたわけだが、突然ばったり営業を止めた事を現地の門に貼られた謝罪文で理解した。なので用事を失った沖矢達はお化け屋敷に近いポアロへやってきたのだ



「ねぇ、昴さん本当に入るつもりなの?やめとこうよ、絶対気まずくなるじゃん!」

「ですが、今更立ち退くのも不審がられますよ?こうして僕らが店内を見た後話し合ってるのは丸見えでしょうし」



安室は赤井を含めたFBIに対して、極度の嫌悪感と敵意を持っている。一度は沖矢昴の正体に辿り着かれて何とか誤魔化した事があったが、それでも沖矢を警戒していてボロがいつ出るのかも分からない。だからとある計画の影の提案者にして、協力者であるコナンは堂々とした沖矢に冷や汗をかいていた。確かに沖矢が言うようにあからさまな態度にはなるが、どうして刺激すれば嫌われる相手に近づきたがるのか。詮索するような事は何もないだろうに

いつもの薄ら笑い浮かべる沖矢が「行きますよ」と先にポアロへ歩き出し、コナンもなるようになると諦めて彼の後ろをついて行った。やはりポアロに入ると安室は沖矢とコナンを見た瞬間に目を見開いて驚愕し、すぐに完璧な作り笑いになると挨拶を口にする



「い……、いらっしゃませ!お久しぶりですね、コナン君とお出かけですか沖矢さん」

「こ、こんにちは〜……」

「お久しぶりです安室さん。沖田さんもあの日以来ですね」

「……どーも」



思わず引き攣った笑顔で控えめに挨拶を返したコナン。一方、沖矢はさすがと言うべきか爽やかな表情と声音で話し、水を向けられた清光は無愛想に顔を顰めて酷く嫌がっていた。しかし冷めた空気をものともせずに沖矢はカウンター席を選び、一つ空けた隣にコナンと沖矢が順に腰掛けた



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