第9章 初めての朝
食「さっきもその格好でウロウロしてたんだから恥ずかしいもクソもないだろ。」
「え?さっきは別に浴衣着てたし…。さすがに男の子の前で脱ぐのとは違います!それに私…敵じゃありません。忍者ではないって信じてください。」
食「いや、ダメだ。」
「どうして…」
食「教えてやろうか?」
「え?」
留三郎はゆうきに近づくと、上着の襟元を掴んで思いっきり開いた。
「キャー!!」
ゆうきが必死に抵抗して隠そうとするが、留三郎は今度は緩んでいた帯をバッと抜き取った。忍び装束の袴がゆうきの足元までストンと落ちる。
「ひゃっ!」
ゆうきは足元と両腕に上着と袴を引っ掛けた状態で、水色のパンツとブラジャーが丸見えになっていた。留三郎は両手でゆうきの両腕を掴んだ。
「いや、いや…食満君…やめて…どうして…」
食「お前こそ伊作に制服の着方を聞こうとしてたんだよなぁ?その前に五年の部屋を覗いてるのも見たぞ?朝っぱらから破廉恥な格好見せつけて、忍たまを誘惑するつもりだったんじゃないか?」
ゆうきはいわれのない言いがかりに目を丸くする。
「違う!違います!聞けるのが隣の兵助君と伊作君しかいなかっただけで…」
「どうだかなぁ。もし忍び装束の着方を知っていたとしても、一般人を装っている状態なら知らないフリをするだろうしなぁ?知らないことを利用して、忍たまを誘惑し、情報を聞き出そうとしたんだろ。相手が悪かったな。」