第4章 揺れる心
帰国中の青峰から聞きたいことがあるとメッセージが届いた。
一体何の用なのだよ…
まさかこの後に及んで英語を教えろなどと言ってくるはずはないが、青峰から呼び出されたときはロクなことがない。
それにこの日は玲子も休みだから、久しぶりに二人でゆっくり本でも読みながら過ごそうと決めていたのに。
式をあげることはできたが、新婚旅行に行かれるようなまとまった休みは取れない。
実家の病院なんだから融通してもらえばいいと周りは言うが、実家だからこそ甘えは許されない。
新婚旅行はどこかで必ず行きたいが、それまでは月に1.2度休みを合わせるので精一杯だ。
そんな貴重な俺と玲子の休日に水を差す青峰には腹立たしさも感じるが、あいつが日本にいるのは今だけで無下に断るのもなんとなくスッキリしない。
いつでも話せる相手なら玲子を優先するが、今回は仕方なく貴重な時間をあいつに使うことに決めた。
「すまない。今度の休日少し出かけることになってしまったのだよ」
「え、そうなの?久しぶりにずっと一緒かと思ってたのに」
残念がる玲子をみて、申し訳ない気持ちと自分もそうしたかった気持ちが入り交じって、隣に座る玲子を抱き寄せた。
「青峰がそろそろアメリカに戻るはずなんだが、会って話したいことがあるみたいなのだよ」
「それなら行ってこなきゃね」
「午前中には済ませて戻る」
「じゃあお家で待ってます」
予定を変えてしまったのに、玲子は優しく笑って俺を抱き締め返してくれた。