第4章 揺れる心
昨日あたしのDVD鑑賞に付き合わせたせいか起きて来ない大我を待ちながら、ここ3か月酷使していたブラシやパレットをいつもよりも念入りに手入れをした。
あたしも疲れてるけどこの道具たちだってそう。
これがなかったらあたしは仕事できない
その道を極めたいと思ったらまず道具のお手入れを怠らないこと
日々のお手入れは勿論だけど、休日は自分が休むのと同じように道具もしっかりと休めるように手をかける
全てのパレットとブラシの手入れを終えても起きて来ない大我を待ってメイクブックを見てると、寝室の扉が開いて伸びをしながら起きてきた。
「おはよ。ご飯できてる」
「はよ。サンキュ。でも先走ってくる」
あたしと大我はアメリカが長かったから挨拶にハグもするしおばあちゃんの影響で頬同士をくっつけてキスもする。
「知ってる。気を付けてね」
走りに行く前の水分補給をした大我に行ってらっしゃいのハグをすると大我もあたしにハグをして出て行った。
日本だとこういうのは付き合ってる人同士だけでするみたいだけど、向こうではこれが当たり前でもう大我とするのは習慣になってる
大我がワークアウトから戻る前に朝食を温めなおして、冷凍のフルーツが食後に食べられるように自然解凍をさせた
朝はそんなに長く走らないけど真夏だからきっと走った後はシャワーを浴びるはず。
バスルームの用意も済ませてもう一度メイクブックを開くと少しして汗だくの大我が戻ってきた。
「あちー…先シャワー浴びる」
「用意できてるよ」
シャワーだけだから用意も何もないんだけど、バスタオルとフェイスタオルはすぐに使えるようにしてある。
シャワーを済ませた大我と一緒にダイニングに座って久しぶりの一緒の朝食
「「いただきまーす」」
あたしは大したもの作らないけど、大我は何でもおいしいって食べてくれるし、すごい大食いだからあたしが残しても大我の胃袋に全部収まる。
ほとんどの食事を終えたところであたしの部屋のドアのチャイムが鳴り響いた。
そして思い出す今日の予定
しまった…
モニターを確認するとやっぱりな顔ぶれ