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最愛 【黒子のバスケ】

第7章 近づく距離


朝、何となくベッドが広い感じがして起きたら……いねぇ。
ベッドどころか、寝室にいねぇ

「みさきっ!?」













「なーにー??」


なんだ…バスルームかよ…
一緒に寝るのが嫌で夜中に出て行っちまったのかと思った…


バスルームの前に行くと少し扉が開いていて、入ると化粧してるみさきがいて安堵のため息が漏れた。

「はぁ……お前……ビビらせんなよ。どっか行ったかと思うだろ」

「なんで?あたし行くとこないよ?」

「そうだけどそうじゃねぇわ……」


みさきは何にも分かってねぇ…
男の機微ってもんを何にも分かってねぇ。

「よく寝た?」

「あぁ……はよ」

「おはよーっ」

起きた瞬間、みさきがいなくて全身の血の気が引いた俺の気持ちなんざ一ミリだって知らねぇみさきは、ご機嫌で顔の上をブラシで撫でくりまわしてる。


「やっぱこの新作チーク可愛いなー!今日のリップはこれに合わせてこっちのしよ。えへへ。ヘアサロン楽しみだなー」

すげぇご機嫌じゃねぇか。
ずっと化粧品見てて全然こっち見ねぇし、俺に一切興味ねぇな。


「あ、青峰君も洗面台使う?」

やっとこっち見たか。
可愛い顔して笑いやがって。全部許す以外なくなんだろ。



「終わったらでいい。ゆっくりやれ」


こんなに女に振り回されるなんて初めてで、しかも無自覚でやってんだから質が悪りぃ。

それなのにどんどん嵌っちまう

俺の不安なんかこれっぽっちも気づかずに鼻歌歌って用意してるみさきを見て、絶対手に入れるって決めた。


いつか仕返ししてやるからな。
















「青峰君も用意できた?」

「あぁ。行くか」

「うん!」



俺と出かけるときの100倍くれぇ嬉しそうにしてんのに、その嬉しそうな顔が見れるだけですげー楽しい。



早めに出かける用意を済ませて、下のカフェでコーヒーと紅茶をそれぞれテイクアウトしてホテルでレンタルした車に乗り込んだ。


「ずっと運転してくれてありがとう」

「気にすんな。やけど気をつけろよ」

「うん。ありがとう」


運転するなんて当たり前すぎて礼なんて言われたことなかったのに、みさきにありがとうって言われんのはすげー嬉しかった。


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