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最愛 【黒子のバスケ】

第7章 近づく距離


「ちょっと寝るか?」

「寝てもいい?なんか今朝早く目が覚めたんだけど今になって眠いの」



青峰君に会えるのが待ち遠しくて早く起きちゃったなんて言えない。




「ほら、こっち来い」


あの時は少しだけドキリとしたけど今日はもうそんな事すら感じない。

青峰君は確かに男の人なのに怖いと思うことは全くない。



「好きな方使え」

「壁側でもいい?」

「あぁ」



あたしがベッドに入りやすいようにお布団を少し捲って、ベッドスローもどかしてカーテンを引いてくれるだけでもしてもらいすぎなのに、あたしが選んだ以外の枕をどかしてくれてお布団までかけてくれた。



どうしてこんなに優しいの?

なんか罰が当たりそう…


さつきは青峰君のこと全然優しくないとか言ってたけど絶対嘘

あたしの知ってる男の人の中できっと一番優しい





「ゆっくり寝ろ」



扉を閉める瞬間に聞こえた優しい声はあたしの眠気に拍車をかけた



寝るの大好き

特にいつも使えないような高級なマットレスは最高に大好き


男の人の部屋で自分からベッドルームに入るなんて無防備なのかもしれないけど泊まるって決めて部屋に入ったのは自分

それに青峰君はあたしに何もしないってちゃんと目を見て約束してくれて、それが嘘には聞こえなかった。


きっと青峰君はあたしを女の人としては見てない

あたしはすごく意識してるけど青峰君はいたって普通で、ハグはするけどそれ以外は本当に何もない。

ぎゅってして笑って解放してくれる




でも、だからこそあたしはこうして安心していられる





青峰君に安心しきって、重くなる瞼に逆らえなくて、仕事の疲れと日焼けのせいで体力を消耗していたせいかあっという間に眠りについてしまった。
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