第7章 近づく距離
ハンプトンについて黒須の部屋のドアが開いた時、聞かなきゃいけねぇことも忘れて黒須をハグしそうになった
すげぇ会いたくて、扉が開いて黒須が見えた瞬間触れたくなった
ネロを心配してくれたりフライトで疲れてねぇかとか気遣ってくれたり
喋り方も表情もすげぇ可愛い
やっぱ火神には譲れねぇ
けど黒須の気持ちを無視すんのはなんか違げぇ
ちゃんと知った上で自分がどうすべきなのか考えなきゃ振り向いてもらえねぇって思ったから、聞きたくはねぇけど聞きたかったことを切り出した。
躊躇したり後回しにしたって結果は変わんねぇから単刀直入に聞くつもりだったっつーのに…
フラれるかもしれねぇって思うと意気揚々となんて聞けなくて、若干周りくどい聞き方にはなっちまった。
けど黒須は鈍感なせいか俺に質問返しをしてきて、直球でいかざるを得なくなってきょとんとする黒須に核心をぶつけた。
「お前火神が好きなんじゃねーの?」
「え?好きだよ」
やっぱな
そうだろうな
じゃなきゃ上半身の写真なんかもらわねぇよな
「だって幼馴染だもん。青峰君大丈夫?」
は??
いや、俺が聞いてんのは男としてって意味だよ
全く…どこまで言わせんだよ
「ただの幼馴染で上半身の写真もらうのか?」
自分の好きな男なら欲しいってのもあんだろうけど幼馴染として好きならいらねぇだろ?
俺はさつきがいくら巨乳だってあいつの写真なんて欲しくでもねぇ。
「もらうよ。だって仕事だもん」
………
仕事…
しごと
シゴト…
「…仕事…かよ」
あー…すげぇ勘違いしてた
けど、よかったわ
あの写真ちょうだいメッセージはおねだりじゃなくてただの仕事だったのか
ビビらせんなよ
って安心したのも束の間
「大我の体なんて見慣れてると思ったけど触ると全然違って………」
見慣れてる⁉
触る⁉
は⁉
今好きじゃねぇっつったじゃんよ‼
シゴトでそんなイチャこいてんのか!?
触るって…
触ったら、触るだけじゃ済まねぇだろ‼
「だって大我は夏は家では基本上着ないし触らなきゃ筋肉も筋も分からなくてボディーアートできないもん」