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最愛 【黒子のバスケ】

第25章 起憶


クライアントの話を遮るなんてしちゃいけないけど……

あれは青峰君が悪い!

何とか気分を落ち着けようと、いつもならスタッフさんに頼んで持って来てもらうホットタオルを自分で取りに行った。


「黒須さん」

「はい」

撮影に使うものを置いておく一番奥の部屋。

ホットタオルの保温庫に手をかけたあたしに、先に部屋にいた男性スタッフが声を掛けてきた。


「黒須さんってさ、青峰大輝とどういう関係なの?」

「お答えしません」


彼は昨日のあの騒動の時にまだペントハウスにいた。

クライアントですと言い切ったところで、それを信用させるだけの根拠を提示できない。
下手に喋るより、答えないという意思をはっきり伝えた方がいい。


それに、今は男の人と話すのは避けたい。


別に彼が何かすると思ってるわけじゃないけど、あたしが勝手に感じてる嫌悪のせいかあの男の人独特の匂いがする。


朝、手の甲につけた香水が鼻の位置にくるように手を握って口元に当てた。


青峰君と同じ匂い


女性ものの香水なのに、あたしが好きで落ち着ける匂いなら自分もそれを付けるって言って、耳の後ろと手首に少しずつつけてくれた。





突然話しかけられたことで止まっていた手を動かして保温庫を開けて、高めの温度で温められたホットタオルを1本手に取った。



「遊ばれて捨てられんのがオチだろ。青峰大輝の女癖の悪さ知らない訳?」

「その様な情報は私には必要ありません。お話が以上でしたら失礼します」


たくさんゴシップに載ってたことは知ってる
だけど、誰かと同時に付き合ったりしていないし、何よりもあたし自身は青峰君を信用してる。

過去に何人もの女性と付き合っていたとしても…
こんなに面倒なあたしを丸ごと受け入れてくれて、いつもいつも大切にしてくれてる。

不誠実なことはしないって信じてる。




「もっと身の丈にあった男選びなよ」

身の丈に合った…

カレンにも言われたけど身の丈に合った相手って何?
容姿?
収入?
知名度?


確かに釣り合ってないかもしれない
だけど、それでもあたしは青峰君からは離れられない。

でも、それをこの人に理解してほしいとは思ってない


あえて大きなため息を吐き出して、保温庫の扉を閉めた。










「それなら、自分も身の丈に合った相手、選ばなきゃね」
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