第22章 大雨
まさか、この現場であの女と居合わせるなんて思ってもいなかった。
とにかくダイキを取り戻したくて、だけどもう連絡先が分からなかったから、エージェントに言って、新人が受けた仕事をあたしに回させた。
ギャラなんてないも同然で顔も映らないけど、ダイキがいてもう一回あたしを選んでくれれば今回のギャラなんて別に大きな問題じゃない
ダイキにとってあたしは特別だった。
彼女には家を教えないって言ってたけどあたしには教えてくれたし、付き合った期間だってあたしが一番長い。
あたしは特に動物が好きなわけじゃないけど、一緒に動物を飼うとカップルの間の絆が深まるっていうからネロを買った。
朝まで一緒に過ごせないことだってあたしは一回も文句を言わなかった。
ダイキはなんでも買ってくれたし、SEXだってどの人よりも最高によかった。
本気で別れるつもりなんてなかった
距離を置けばあたしの大切さがわかると思ったから、ほんの少し距離を置いただけだったのに
NYのモデル仲間からダイキを見たって言われて、しかもその時ペニンシュラのラウンジで小柄な女といたって聞いて、絶対にダイキを渡したくなくなった。
新しい女ができたんだと思って徹底的に調べたけど、その後もゴシップに載ったりはしなかったし、いくら人に聞いてもダイキの周りでそんな人を見たことがないって言われて全然正体が掴めなかった。
だから見間違いだと思ってたのに…
ダイキがあたし以外を好きになるなんてありえない。
ハッキングはあくまで確認の為だった
それなのに
今までダイキのスマホに女の写真なんて入ってたことないのに、同じ女の写真が何枚もあった。
ダイキは電話だってほとんどしないのに、決まった番号に毎日かけて、メッセージだって何が書いてあるかは分からないけど毎日やり取りしてた。
仕事関係だってダイキは言ったけどそんなはずない。
突き止めた番号にかけたけど出なかったし、何度もかけて拒否されたら正体がまた掴めなくなる気がして、電話はやめてその番号をいろんな人に聞いたけど誰も知らない番号だった。
どこの誰なのか全くわからないけど名前の発音だけはなんとか調べた。
でも日本では同じ名前はたくさんいすぎて、SNSでいろんなアカウントを探ったけどスマホに入ってる写真と同じ人は一人もいなかった。