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最愛 【黒子のバスケ】

第6章 take off


さつきにも美緒にも、言い訳も、説明すらも必要なかった。


この二人はあたしを信じてくれる。


さつきと美緒は同期だから研修で仲良くなったらしいけど、あたしが二人と仲良くなったのはその後だった。

日本に来たばっかりの時、仕事で知り合ったさつきに年齢が同じだからって連絡先を聞かれた。


最初は急激に距離を縮めてくるさつきに少し腰が引けたけど、屈託なく聞いてくる笑顔に教えないなんて言えなくて、当時はクライアントが少なかったからプライベートと仕事とスマホを分けてなくて、名刺の番号と同じだって伝えた。


初めて電話をくれたのはその日の夜だった


あたしからかけることがないのにさつきはよく電話をくれたし、その後しばらくして会社で鉢合わせた美緒がびっくりするくらい美人で、さつきが名前を教えてくれて、最初は3人でコスメを買いに出かけた。


BAに進められるがまま成分を確かめずに購入を決めるさつき
新商品とか限定って雑誌に載るとタッチアップせずに予約したものを全部買う美緒。


この二人は美容業界で働いてるから同業他社の調査は必要だけど、もはや散財レベル


余計なお世話かもしれないと思ったけど、黙ってられなくてBAを遮って口出しした。

さつきの悩みならこの成分じゃ意味がないとか、限定でもタッチアップはした方がいいとか…


小姑のように口出ししたら驚かれた。

あたしは友達が本当にいないから、友達と何を話せばいいのか分からなくて、コスメって物がなかったらまともに会話もできなかった。

クライアントとは話せるように話題は持ってたけど、友達と楽しくお喋りっていうのは得意じゃなかった。

その日を境に少しずつ仲良くなって、いろいろ愚痴って話して笑ったり泣いたり怒ったりして一緒に旅行もした。

多分この二人がいなきゃホームシックでアメリカに帰りたくなってた。

実際、戻りたいってパットに泣いて電話をしたこともあった。
もちろんそんな事許してくれるぬるいBOSSじゃないけど…



この二人なら信用できる

私のことを知っても今までと変わらずにいてくれる

泥沼から抜け出せるかもしれない

あたしのことを話して、誤魔化してきた恋愛の事も正直に話す。




渡米前の休日に二人にうちに来てもらってゆっくり話したい。
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