第7章 思い出の中の彼
私が普通の女の子みたいな暮らしが出来るなんて思いもしなかった
静司
私の希望の光
ずっと約束を守っていてくれた
温もりだけが残るその布団を軽く撫でる
今すぐ彼に会いたい
静司にあっていっぱい いっぱいこの気持ちを伝えたい
私のお友達 大切な人 こころから愛せるひと 世界を捨てたって構わない あなたとならどこへでも 忘れずに迎えに来てくれた そんな静司が心の底から大好きだと
部屋を飛び出す
いつの間にか元に戻っている格好
あなたのふとした優しさにいつも触れていた
きっとこの時間なら書斎にいるはず
そう思い扉を開ける
「静司!!」
驚いた顔押しながら
「おやおや どうしたんですか 走ると危ないですよ」
そういう彼に近づき
泣きながら抱きつく
「あ、りがとう 迎えに来てくれて ずっとずっと待ってた 静司だって気づかなくて ごめん 大好き」
そう思いを伝えると
「……… やっと思い出したのですか 本当にお寝坊さんですねは」
そう言いながら涙を見せる彼
「もう静司が何で泣くの」
そう問うと
「あなたが忘れてしまったんじゃないかとずっと不安だったんです」