第1章 ~ATOBE KEIGO~
それから暫く経った頃、私は部活終わりに廊下を走っていた
教室に入り、自身の机を探る
「携帯…携帯…あった♪」
私は引き出しの奥に目的のモノを見つけ取り出した
「あれ…?」
それは確かに自分の携帯。だけど…
「無い…ストラップ…」
確かに付いていたはずのストラップが無い
部活始める前にはあった
でも今は無い
でも、携帯はある
(まさか…)
私は携帯のアドレス帳を開くと、目を丸くした
「消えてる…全部…」
私はゴミ箱を確認した後、教室を飛び出した
「どうしよう…お願い見つかって…!!」
アドレスはご丁寧にテニス部のグループだけ消えていた
これが全部消えていたなら故障か、自身のミスかもしれない
だけど…
いや、自分のミスだ
携帯を忘れた私が…
今まで陰湿な嫌がらせを受けても、全く動じなかっただったが今回は違った
やみくもに手当たり次第、ゴミ箱や校庭の草木を掻き分ける
手や膝が汚れるのも構わずに必死になって…
「無い…無いよ…あれがないと私……」
気づけば辺りは暗くなっている
それでも探し続ける
暫くして、は焼却炉の前にいた
立ち尽くす目の前に目的のモノを見つける。燻っている炉、その中に手を突っ込む
「っ……」
まだ熱い筈なのにはそれを握り締める
そしてその場へとへたり込んだ