第11章 募る恋情と、隠せぬ想い
水甕から汲んだ水を桶に移すこともなく、柄杓を使って顔に浴びせかける。
何度も何度も…
それでも一度灯ってしまった欲熱が冷めることはない。
それどころか、益々熱が高まっていくばかりで…
ああ、どうしたら良いの?
こんなにも触れたくて溜まらないなんて…
お師匠さんが発ってから、ずっと触れていなかったから?
きっとそう…
濡れた顔を手拭いで拭い、寝間着の裾をしっかりと合わせ、小走りに庭へと飛び出した智は、納屋代わり使っている小屋に駆け込んだ。
ここなら…
薪用に積まれた木材と、今は使われていない葛籠の間に腰を下ろし、寝間着の裾を捲り上げると、何も覆う物の無くなった茎に手を伸ばした。
「あっ…」
先端から溢れる雫で濡れた茎を、軽く擦ってやると、かこゅっと結んだ唇の端から、艶を帯びた声が漏れたが、智に声を堪えるだけの余裕などなく…
「あ、あ、あぁ…っ…」
自然と揺れる腰を止めることなく、智は全身を駆け巡る快感の波に身体を震わせ続けた。
「んん…っ…、あ、あんっ…」
だらしなく開いた唇から漏れる声は次第に嬌声へと変わり、茎を擦る手の動きも忙しなくなった。
そして…
「あぁぁっ…」
一際甲高い声を上げた瞬間、先端からは熱い蜜が飛び散り、智は両足を投げ出したままの格好で、身体をひくひくと痙攣させた。
まさかその様子を見られているとは、梅雨とも思わずに…