第16章 小さな手
「失礼します。テンゾウです。報告書を修正してきました。あと、イタチとそこで会い、ビンゴブックの…………え?」
火影室に入室してきた、イタチとテンゾウは目をパチクリさせた。
カカシが赤子を抱いている。しかも産まれて数カ月が経つか経たぬか分からぬ赤子を。
「カカシ先輩……? どうしたんです?その赤ちゃん……」
テンゾウはおずおずと近づき、赤子の顔を覗き込んだ。ふわふわ柔らかな髪。つるつるな肌。口をむにゃむにゃと動かしている。
「可愛いですね。でも、誰かに似てますね……あれ? この子……裸?」
寒くないんですか?と聞いたとき、カカシはテンゾウに目を向けた。
「テンゾウ。急いでベビー用品店に行ってきてくれない?」
「え!? ボクがですか!?」
人差し指を自分の方に向けて
再確認した。ベビー用品店など足を踏み入れたことがない。
「至急ね。えーーと……、オムツと、おしり拭きとシートと、哺乳類とミルクと……布団買ってきて。あと、ベビー服。前びらきのヤツね。お金は三代目が出すから」
カカシは赤子が使う物を思い出しながら、口早く伝えた。
「カカシさん、オレの家にサスケが小さい頃使っていたものがある。 使いますか?」
イタチが2人の話の間に入り、口を開いた。カカシはイタチの提案に頷く。
「うん、頼むイタチ。ありがとうな」
「ではひとっ走りしてきます」
イタチはすぐに踵を返して、部屋を出た。テンゾウも「とにかく、ボクも行ってきます!」と言い、報告書を三代目に提出して部屋を出て行った。