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モデルのボーダー隊員(前のストーリーとは少々異なります)

第15章 金の雛鳥と弟


ロリコン野郎が手元の淡い球体から鳥を出し、こちらへ飛ばしてくる。その全てを俺のバイパーで相殺すると、鳥に当たったバイパーがキューブへと変わり、地面に落ちた。

「何だこれ。バイパーがキューブに?」
「トリオン攻撃は無理そうだな。間を縫って斬撃食らわすか隙間を狙撃するか...」
「トリオン以外の攻撃も試してみるか」

近くに落ちていた瓦礫を拾い、ロリコン野郎目掛けてぶん投げる。真っ直ぐ飛んでいった瓦礫は鳥に当たるも、キューブ化せずに通りすぎていった。

「どうやらトリオンだけにしか効かねぇみたいだな」
「建物の多いとこに移動すっか?」
「おう。バイパー頼むぜ」
「了解了解」

太刀川さんとパパッと動きを決めて移動準備に入る。手元に浮かぶバイパーを細かく分割し、人型に射ちながら移動する。
余ったバイパーが人型に少し命中したのがわかった。弾数はこっちの方が多いらしい。

「くっ...その力...やはり欲しいな」
「黙れ変態。俺はお前のもんになんかならねぇよ!」
「強気なところもいいな」
「キモッ!」
「ああいうのって何言っても聞かねぇぞ」

明希に戻ったらショック受けて倒れるぞこれ。明希には何もなかったって伝えとこう。
ある程度建物の多いとこに移動すると、あの人型も追ってきた。
ノコノコ付いて来た人型に、少し違和感を覚えたが今は放っておく。

「「旋空弧月」」

同時に放った旋空によって、人型の周りの建物が崩れる。土煙が立ち、俺達も煙に巻き込まれる。
何も見えねぇなと思った時、背後に気配を感じ咄嗟に飛び退く。しかし一歩遅く、左手足が歪む。

「...!」
「生き埋めにするつもりだったのだろうが、生憎こちらにも手はある」

そう言う人型の後ろにはゲートのような黒い円があり、その中にもう1人、女の人型がいた。

「ワープするトリガー...!」
「わかったところで、お前には何も出来ない。あの戦士は遠くへ飛ばした。大人しくこっちに来い」

青髪の人型が俺の腕を掴み、動けない俺をゲートへ入れようとする。
自由に動かせない手足のせいで抵抗できず、せめてと思いバイパーを出すも、突如現れた釘のようなものによって刺される。
戦闘体が解けた俺は、今度こそ何も出来ない。

「嫌っ!」
「少し眠ってろ」

鳩尾を殴られ視界が暗転していく。
最後に見えたのは、風刃を構えた秀ちゃんの姿だった。
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