モデルのボーダー隊員(前のストーリーとは少々異なります)
第2章 仕事
本部内に警報音が響き、放送がなる。
『ゲート発生、ゲート発生。座標誤差○○にゲートが発生しました。近隣の皆様は避難してください』
お、今度は警戒区域にちゃんと開いたんだな。前のはゲートの故障だったんだろうか?
「こんな時にゲートが開いたか。悪いなシュウ、近界民の排除が終わったらすぐに帰れるよう、準備だけ進めててくれ」
「わかりました。嵐山さんが謝ることじゃないんで、謝んなくて良いっすよ」
「ありがとう」
嵐山さんはホントに優しいな。
取り敢えず、言われた通り帰りの準備だけして待機する。メイクは帰りの車の中で落とす予定だ。
粗方準備が終わるのと同時に、ラウンジの入り口が急に騒がしくなった。
何事かと振り返ると、スーツを着た若めの男性とタバコで茶髪の男性、そしてプロデューサーが入ってきていた。
「今日はありがとうございました。機密が多いのに撮影許可出していただいて本当に助かってますよ」
「いえいえ、こちらこそ。嵐山隊がお世話になっていますから」
「少しでも多くの人にボーダーという組織を理解して頂ければと思っておりますので、今後ともよろしくお願いします」
若い方の男性、どっかで見たことあるような...
と眺めていると、若めの男性と目があった。その男性がプロデューサーに少し話しかけると、プロデューサーに「シュウ」と呼ばれた。
「どうしました?」
「話す前に自己紹介してくれ」
「あ、はい。男装モデルとして働いてるシュウです。よろしくお願いします」
「私はボーダー本部長の忍田正史だ。よろしく」
「私は営業部長の唐沢克巳。よろしく頼むよ」
あ、あー!思い出した!忍田さんか!ちょっとフケたけど、相変わらずイケメンですね!
隣の人はここが出来てからここに来た人かな?全然知らん。
「はい。それで、話はなんですか?」
「あぁ、実は忍田さんの方が君のトリオンを測りたいらしくてね。丁度いいし、測ってもらっておいで」
「...わかりました」
え、嫌です。機械壊れるの目に見えてる。
まぁ、拒否したところで理由が言えないんで逃げられないんだけど。
忍田さんに別室に案内され、ポッチャリした男性が機械を持ってくる。機械を握り、忍田さんがスイッチを入れた瞬間、機械が壊れた。
あ、ごめんなさい。