モデルのボーダー隊員(前のストーリーとは少々異なります)
第13章 つかの間の平和と新たな脅威
「と、取り敢えず全員揃ったし会議を始める。今回の議題は、近々起こると予想される、近界民の大規模侵攻についてだ」
忍田さんのお陰で会議が始まる。
悠一の未来視によって発覚した近界民による大規模侵攻。今のボーダーの技術ではどこの国が近いのかわからない上に、わかっている近界の国の数が少なすぎる。
悠一は町の防衛にC級隊員を配置した方が良いと言う。万が一警戒ラインを越えてきたらどうするんだ。と思ったが、避難が順調に進めばそこでC級は隠れていればいいらしい。それなら問題ないかもしれない。
隊員が揃うまでの時間稼ぎとして、鬼怒田さんと冬島さんと言う人がトラップを仕掛けてくれるらしい。ついでに本部の装甲も強くするのだとか。しといた方がいいよ。イルガー来ちゃったら潰れるし。
途中で体調不良の秀ちゃんが会議室に来たときには驚いた。髪はボサボサ、目の下には隈が出来ており、明らかに睡眠不足なのが見て取れる。
みんなが心配するが、秀ちゃんは大丈夫ですの一点張り。大丈夫じゃないのがバレバレだ。
気にしても今は仕方ない為会議が再開される。
会議は詰められるところまで詰め、他に話し合うことがなくなってしまう。残りはどこの国がどれ程の戦力で来るのかと言う事を考えなくてはいけないが、まだ出来ない。
城戸さんが遊真君と修君を連れてくるように僕と悠一に頼む。まぁいいけど。
席を立った時、風間さんが何かに反応した。
「どうした?風間」
「失礼...C級のブースで...玉狛の空閑が緑川を圧倒しているようです」
風間さんの視線を辿れば、モニターの1つに遊真君が緑川と言う男の子と戦っているところが映った。先程の3人とは違い、戦い慣れている動きだが遊真君には程遠い。
と言うか、何故この2人が戦っているのか皆目検討もつかない。
「明希、2人の迎えに行くよ」
「あ、待って!今行く!」
先を歩く悠一を追いかけて隣を歩く。C級のブースに着くと、2人が出てきたところだった。
よくよく見れば陽介君もいる。
「遊真、メガネ君」
「2人ともお疲れ~」
「迅さんと藤咲先輩...!」
何時まで経っても修君だけ『明希先輩』って呼んでくれない。僕は悲しい。
「急で悪いんだけど、ちょっと来てくれない?城戸さんたちが2人を呼んでるの」
「城戸指令が僕たちを...?」
「フム。誰?」
