モデルのボーダー隊員(前のストーリーとは少々異なります)
第11章 本部精鋭部隊と雷刃
明希side
「黒トリガーの名は『雷刃』。簡単に言えば風刃の強化版です。引き合いに風刃を出すのは申し訳ないけど、威力・射程・速さにおいてどれも風刃の上を行く。ただし、その代償としてトリオン消費が激しい。僕自身を条件に出したのは僕しか使える人間がいないから。説明は以上。何か質問あります?」
忍田さんが「その黒トリガーは誰だ」と聞く。説明するの忘れてた。
「すみません。言うの忘れてました。元の人間は風間進さんです」
「何故今まで隠していた。進の事は知らないと言ったのは嘘だったのか」
「そうですよ。僕は嘘が嫌いですけど、黒トリガーを取り上げられるくらいなら嘘ついてでも守ります。それだけ大事なものなんですよ。質問は以上ですか?」
質問する気配はない。なら、交渉の承諾をもらおう。
「無いようですね。では城戸さん。こちらの条件、承諾していただけますか?」
廊下に出て支部へ帰ろうと、歩を進める。
悠一の揚ぼんち揚を貰いながらのんびり話す。
「交渉上手く行って良かったねぇ」
「...本当に良かったのか?」
「何が?」
「本部所属になって、S級扱いになること。窮屈じゃないか?」
「そんな事ないよ。普通に戦いたい時はノーマルトリガー使えば良いんだし、全然窮屈じゃない。ただ、桐絵にバレないようにしないとなぁ」
唯一心配なのはそれだ。桐絵にバレたら泣かれそうだ。桐絵の泣き顔は見たくないし、出来れば笑っていてほしい。
「それはバレないって俺のSEが言ってる」
「それなら安心だね。...って、風間さんと太刀川さん」
前方の左右に、風間さんと太刀川さんがいた。どうやら僕らを待っていたようだ。
「ようお2人さん。ぼんち揚食う?」
4人で自販機の所まで移動して話始める。
ぼんち揚美味しい。
「...全くお前らは意味不明だな」
太刀川さんがぼんち揚を貪りながらそう言う。食べてから喋ろうよ。
「黒トリガー奪取の指令は解除された...。藤咲が本部所属になるなら最初からそうすれば良かっただろう?」
「僕は近界民に理解があるし、怨みは無いんで玉狛が1番合ってるんです。それに、悠一と桐絵もいますから」
そう言って微笑むと、太刀川さんが驚く。
「..マジで別人なんだな」
「そう言えば、僕とは初対面ですね。本名は藤咲明希と言います。よろしくお願いしますね。太刀川慶さん」
