モデルのボーダー隊員(前のストーリーとは少々異なります)
第11章 本部精鋭部隊と雷刃
久し振りに見た悠一は随分と大人になっていた。飄々とした態度は今でもあまり変わらない。
「『僕』から聞いたぜ?ボーダーの精鋭?とか言う奴等と戦うんだろ?」
「そうそう。プランも明希から聞いた通り、ちゃんと動いてね」
「わかってるわかってる。...相手も来たみたいだぜ?」
少しの会話の途中で精鋭部隊とか言う奴等が来た。人数は10人。少ねぇな。
「迅...!!」
「なるほど、そう来るか」
「太刀川さん久し振り。みんなお揃いでどちらまで?」
悠一が風刃に手を置いて、分かりきったことを敢えて聞く。
えっと?最初に声を出したのが秀ちゃんだっけ?大きくなったなぁ。んで、もう1人喋った方が太刀川って人か。
「うおっ迅さんじゃん!何で?」
「よう当真。冬島さんはどうした?」
「うちの隊長は船酔いでダウンしてるよ」
「余計な事を喋るな、当真」
奥のリーゼントが当真って人で、その手前にいるのが風間さんね。マジで進さんそっくりだな。身長以外。
「こんな所で待ち構えてたって事は、俺達の目的もわかってるわけだな」
「うちの隊員にちょっかい出しに来たんだろ?最近玉狛の後輩達はかなりいい感じだから、ジャマしないでほしいんだけど」
「そりゃ無理だ...と言ったら?」
「その場合は仕方ない。実力派エリートとして、可愛い後輩を守んなきゃいけないな」
「なんだ迅、いつになくやる気だな」
太刀川さんの言う通り、俺から見てもそう思うくらいにはやる気になっている。あの3人が何かの重要なキーになっているのか?
「おいおい、どーなってんだ?迅さんと戦う流れ?」
戦う流れ以外に何がある。おまえらも戦う気満々だろ。
「『模擬戦を除くボーダー隊員同士の戦闘を固く禁ずる』隊務規定違反で厳罰を受ける覚悟はあるんだろうな?迅」
「それを言うなら、うちの後輩だって立派なボーダー隊員だよ。あんたらがやろうとしてる事もルール違反だろ?風間さん」
「...!」
「「立派なボーダー隊員」だと!?ふざけるな!近界民を匿っているだけだろうが!!」
風間さんって、ちょっと天然入ってんの?あと、秀ちゃんうるせぇ。今夜だぜ?周りに人が住んでなくても叫ぶのは止めろ。
「近界民を入隊させちゃダメっていうルールはない。正式な手続きで入隊した、正真正銘のボーダー隊員だ。誰にも文句は言わせないよ」
