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モデルのボーダー隊員(前のストーリーとは少々異なります)

第9章 三輪隊と黒トリガー


「空閑の親父さんは...亡くなったと聞いています」

城戸さん達が僕を見る。いや、僕の心配なんかしなくて良いよ。そりゃ有吾さん大好きだったし、1番なついてたけど、心配されるような事じゃないよ?...多分

「明希は知っていたのか」
「うん。黒トリガーの存在を知ったときに全部」
「...そうか」
「僕なら大丈夫ですから。話進めてください」
「わかった」

忍田さんが咳払いをして話を戻す。

「取り敢えず、これ以上部隊を繰り出す必要は無いな。有吾さんの子と争う理由などない」

それに対し城戸さんは反論したが、後で調べればわかることだと言われ、会議はそれで終わった。

「迅、明希、三雲君。つなぎをよろしく頼むぞ」
「「はい!」」
「そのつもりです、忍田さん」


唐沢side

城戸派だけが会議室に残り、再び話し合いが始まる。

「このままで良いのですかな?城戸指令。クガとやらの事はようわからんが...」
「そうですねぇ、このまま玉狛が黒トリガーと手を結べば、ボーダー内のパワーバランスが...」

2人にそう言われた城戸指令は、左目の傷をそっと撫でる。

「わかっている。空閑の息子かどうかは別問題として...黒トリガーは必ず我々が手に入れる」

城戸指令はどこまでも貪欲な人だ。
鬼怒田さんや根付さんは城戸指令のその言葉に、そのためにどうするかを話し合っている。私はそれを横目に見て、タバコを味わう。

「唐沢くん、君の意見は?」
「私は兵隊の運用は専門外なので...」
「かまわん。聞かせてくれ」

城戸指令にそう言われた私は少し考え、「今は特に何もしなくていいのでは?」と提案した。
勿論、ちゃんと理由も説明した。城戸指令はそれを理解して、数日後に帰還する遠征部隊を待ち、三輪隊と合流させることを決めた。


明希side

遊真君達との合流地点に向かうと、既に2人は到着しており、遊真君がこちらに手を振っていた。

「お~い」
「2人とも待たせて悪い」
「大丈夫だよ。そんなに待ってないから」
「そうだぞ。ところで、オサム。えらい人に、叱られた?」

遊真君は、自分のせいで修君がボーダーを辞めさせられるのが嫌なようで、処分が一先ず保留になったことを知ると、安心していた。

「まだ安心じゃない。ボーダーがお前のトリガーを狙って来る可能性がある」

修君は包み隠さず正直に伝えた。
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