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モデルのボーダー隊員(前のストーリーとは少々異なります)

第5章 日常と本部


試着室の中で考える。取り敢えず着てみたは良いものの、全く似合わない。見慣れないのもあるかも知れないが、こんな可愛らしい服は正直恥ずかしい。
桐絵達が選んだ服は、フレアスカートにニットのオフショルとニーハイ。何コレ寒い。ニーハイじゃなくて、せめてタイツがよかった!!

「明希~?終わった~?」

長く籠り過ぎたか、瑠衣達が痺れを切らしている。

「お、終わったよ...」
「よーし!それじゃ~オープン!」

栞の声でバッとカーテンが開けられる。思わずビクッとしてしまう。

「明希超可愛い~!」
「ホントだ!凄く可愛い!」
「流石明希ね!よく似合ってるわ!」

3人に死ぬほど誉められて本当に死にそうになる。もう止めてください。辛いです。

「ねぇ、迅!可愛いでしょ!」

桐絵が悠一を試着室の前へ連れて来て、間近で見せる。
何すんの桐絵!僕ホントに死んじゃう!今すぐ着替えたい!泣きそうな顔で桐絵を見ると、「頑張れ♪」と意を込めてグーサインを出された。
そっと悠一を見ると、顔を赤く染めて口元を隠していた。

「悠一?どうしたの?」
「あ、えっと...想像以上に可愛かったから、直視出来なくて...////」
「!?////」

ちょ、悠一何言ってんの!?どこ見て言ってんの!?この服は桐絵達が着た方が何倍も可愛いから!
3人の方を見ると、ニマニマと嫌な笑みを浮かべてこちらを見ている。

「ぼ、僕着替える!///」
「明希、待って!」

試着室のカーテンを閉めようとすると、悠一にカーテンを掴まれる。

「...何?」
「似合ってるから...また着て欲しい」
「...考えとく」

カーテンを閉めて1人になる。あーもう!何で着たんだろ!何で「考えとく」なんて言ったんだろ!もうやだ、ホントにやだ。消えてしまいたい。気を重くしながら、手早く私服に着替える。
モッズコートにプリントTシャツ、スキニーパンツにメッシュベルト、靴は男性用ブーツ。めちゃくちゃ落ち着く。自分の服最高。
さて、どうしよう。折角選んでくれたのに返すのもどうかと思うけど、僕着ないし。「着て欲しい」って言われたけど、多分もう着ないし。
どうしようか悩んでいると、瑠衣がヒョコッと顔を出す。

「瑠衣?」
「買っちゃいなよ。着なくても良いからさ、機会がある時に着れるように買っちゃいなよ」
「...わかった。買う」

結局買った。
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