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モデルのボーダー隊員(前のストーリーとは少々異なります)

第5章 日常と本部


城戸さんにに連れられて、メディア対策室へと向かう。
メディア担当の責任者に会って交渉してくれるらしい。
メディア対策室に着く。城戸さんが3回ノックするとどうぞと返事が戻ってくる。

「失礼する」
「失礼します」
「き、城戸指令!?用がおありでしたら私の方が参りましたのに!」

ヒョロッとした男性が、城戸さんを視認すると同時に慌て始める。

「今回はこうした方が効率が良いと判断して来た。気にすることはない」
「はぁ、そうですか。取り敢えず、こちらにお座りください。君も座っててください。今お茶をお出しします」
「構わん、君も座ってくれ」

男性が3人分のお茶を淹れようとするが、城戸さんに止められる。当然男性は戸惑う。

「し、しかし」
「大丈夫です。話が終わり次第出ますので。お忙しいんでしょう?」
「...では、そうさせていただきます」

もう1人の客人である僕がそう言うと、諦めたのか向かいのソファに腰を下ろす。

「今日ここに来たのは、この子についてだ。まずは自己紹介なさい」
「はい。初めまして、藤咲明希と言います。現在休暇中の《シュウ》として、モデル活動をしています」
「私はメディア対策室長の根付栄蔵と言います。そうですか、君が例の《シュウ》でしたか」

根付さんも《シュウ》について何か知っている風だった。

「今ので大体は察しました。藤咲隊員を広報として使えないか、と言うことですね?城戸指令」
「あぁ、君の率直な意見を聞きたいと思っている」
「そうですねぇ...」

根付さんは少し考えると、すぐに答えを出した。

「結論から申し上げれば、藤咲隊員を広報担当にすることは賛成です。広報になった場合、言い方は少し悪いですが隊員の増加を期待出来るのと、先日拝見した資料で実力・トリオン能力においては群を抜いていることからボーダーの戦力アップや、戦意向上が期待出来るかと。あと、嵐山隊の負担が少し減って任務に就きやすくなります」

「続いて広報にならなかった場合ですが、恐らくモデルの方は辞めるつもりでしょう?そうなると辞める理由として「ボーダーに入るから」と言わざるを得なくなります。そうなるとファンの方もからボーダーへ批判が殺到し営業に支障が出るかと」

たった数秒考えただけで、ここまでの事を考えられるのは流石メディア担当者だと思った。

その日、僕の広報入りが正式に決まった。
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