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モデルのボーダー隊員(前のストーリーとは少々異なります)

第4章 嫌な思い出とSE


木崎視点

モニタールームにて、俺達は小南と藤咲の勝負を見ていた。2人の会話を聞く限り、小南は藤咲に基礎や気配の消し方を教わったらしい。
2本、3本と藤咲が勝っていく。想像以上の強さだ。恐らく忍田本部長並の実力だろう。しかし、違和感がある。始まる前に言っていた《シュウ》と言う名。そしてあの姿。いつだったかテレビで見たアイツと同じではないか?

「どうしたんすか?」
「あぁ、藤咲をテレビで見たことがあるような気がしてな」
「レイジさんもっすか。俺もですよ。名前も同じですし、明希先輩がやってるんじゃないですか?」
「2人とも、それは後で本人が教えてくれるから、今は見よう?」
「あぁ、そうだな」
「そっすね」

10本目になった。10本目ともなると小南の動きが藤咲に対応出来るようになっていた。しかし、これと言った決定打が打てず少々焦っているように見える。
小南がメテオラを放ち、再び煙幕を作る。今度は突っ込まず上へ飛び、上からもメテオラを放つ。これはシールドを張るか、煙幕から出ないと避けることは出来ない。
藤咲は煙幕から出てきた。しかし、視線はしっかりと小南を捉えている。
その瞬間、物凄い威圧感を感じた。発生源を探そうにも身体が動かない。モニターの中の藤咲だけが動いている。

『やるじゃん桐絵。俺がシールド持ってないのわかってて打ったんだろ?正解だ。今使ってるのは訓練用トリガーだから、シールドは入ってねんだよ』
『思った通りね。それより動けないんだけど?戻してくれない?』
『戻してもいいが、どっちにしろ動けなくなるぞ?』
『...』
『どうする?降参するか?』
『するわけないじゃない!メテオラ!』

身体は動かなくても、射手用トリガーなら攻撃できる。それも予想していたのか難なくかわす藤咲、だがここからだった。メテオラだと思われたキューブは向きを変えて藤咲へと飛ぶ。藤咲は慌てて避けるが、足をかすり、爆破する。トマホークか!いつの間に作ったんだ?

『面白い弾だな。単体って訳じゃ無さそうだ』
『トマホーク、メテオラとバイパーの合成弾よ。前に友達が教えてくれたの。出来るか分からなかったけどね』
『俺の片足取っちまったしなぁ。トリオン漏出過多で終わりかぁ?』

途端に感じていた威圧感が消える。俺達は何とか立っていられたが、小南はその場に倒れて動けなくなり、戦闘不能となった。
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