モデルのボーダー隊員(前のストーリーとは少々異なります)
第4章 嫌な思い出とSE
もう既に回収済み!?どういう事!?
「もう回収してるってどういう事っすか?」
「言葉の通りよ。明希はあたしよりも強いわよ」
「小南が人の事強いって言った!負けず嫌いはどこ行ったの!?」
「栞、あんたかなり失礼よ。あたしだって負けを認めることぐらいあるわよ」
「小南先輩が負けを認める程の実力...やっぱ宇佐美先輩は1級フラグ建築士っすね。おめでとうございます」
「うん!全く嬉しくないけど受け取っておくよ!」
何だかどんどん話が進むなぁ。若い子は元気が1番だよね。うんうん。とか思いながらお茶を啜る。美味しい。
「明希、今ババ臭い事考えてただろ?」
「何故バレた」
「顔に出てた」
え、そんなに?表情筋活発すぎ。
「明希!勝負しましょ!」
「え!?今から!?」
「そうよ!さ!早く始めましょ!」
桐絵に引き摺られながら訓練室に入る。中はかなり広く、これなら十分に暴れまわる事が出来そうだ。
桐絵と向かい合って、同時にお決まりの台詞を言う。
「「トリガー起動!」」
長かった髪は短くなり、モデルの時の髪型になる。メッシュの入ってる部分は蒼ではなく、紅く染まっている。胸も設定で小さくし、服装は悠一の黒バージョンとなった。
『おぉ~!明希ちゃんカッコいい~!』
イヤホンから栞の声が聞こえる。そう言えば、この事言ってなかったな。
「今は明希じゃない。この格好のときは《シュウ》って呼んでくれ」
「シュウ、久しぶりね。本当イケメンだわ」
「そりゃどうも。桐絵は相変わらず可愛いな」
「ありがと。あんたに誉められるのが1番うれしいわ!」
そう言うと同時に桐絵が小斧を構えて突っ込んでくる。俺は軽いステップで軽快にかわす。
「身軽な所は変わらないわね」
「桐絵は剣筋が良くなってる。こりゃ油断出来ねぇな」
腰に刺さった鞘から弧月を抜く。桐絵の警戒心が高まるのを感じる。
「フル装備で来いよ。強くなったとこ見せてくれ」
「あったり前よ!メテオラ!」
緑色に発光するトリオンキューブが爆破を起こして、目の前に煙幕を張られる。
さぁ、何処から来る?
「...見つけた」
「なっ!?」
桐絵の気配を察知し、弧月を振る。胴体を真っ二つにされた桐絵がこちらを睨む。
「気配は相手を潰すまで消さないと。ちゃんと教えただろ?」
「くっ!もう1本!」
