• テキストサイズ

モデルのボーダー隊員(前のストーリーとは少々異なります)

第3章 勧誘


林藤さんが悠一を呼んで約20分程待ち続けている。この20分で悠一について粗方の事を聞いたが、支部から本部までそんなに距離があるんだろうか?
すると城戸さんが「遅い」と一言発する。あ、これは遅いんだw

「支部ってここから離れてるんですか?」
「いや、そんなに離れてないぞ。ただ、走ってくるんだったらもう着くはずだが...」

途中で近界民とでも遭遇したんだろうか?
はたまた変な未来でも見たんだろうか?

「ねぇボス。迅に明希がいるって言ったの?」
「うんにゃ?お前に客が来てるぞってだけ言った」
「そりゃ遅いわ。客じゃなくて明希って言わないと急いで来たりしないんじゃない?アタシだったら明希じゃない限り急いだりしないもの」
「桐絵、それはそれでどうかと思うよ?」

雑談すること更に5分後。痺れを切らした桐絵が「呼んでくる!」と言って扉を勢いよく開ける。

ドガッ
ゴフッ

ん?今変な音がしたような気が。桐絵が向かいの廊下を見ると、勢いよく開けられた扉によって吹き飛ばされた悠一がいた。

「イタタタ...読みのがした...」
「ちょっとアンタ!遅いじゃない!お客さん来てるのになに30分近く待たせてんのよ!」
「さっきまで町の方に暗躍しててさ、コレでも急いで「悠一!」き...た...え?」

悠一の顔を見たとたんに、悠一の元へと駆け出していた。壁にもたれ掛かって尻餅を着いている悠一を抱き締める。

「悠一...!やっと会えた...!」
「え、ちょ、え?だ、誰?こ、小南!これどういう状況!?」
「あーぁ、泣いちゃった。この子を待たせた罰だと思いなさい。この子、あんたをずっと探してたそうよ」
「え?」

悠一がすっ頓狂な声を上げる。僕を忘れるなんて酷いなぁ。あんなに長い間一緒にいたのに。
目いっぱいに溜めた涙を拭くこともせずに、顔を上げて悠一を見る。

「...僕の事忘れたの?悠一」
「あ...き...?」

僕の顔を見て悠一の目が大きく見開かれる。やっと思い出してくれた。

「うん!久しぶり!悠一!」
「明希...明希!」

悠一は僕の名前を何度も呼びながら抱き締める。その力は強くて、でもどこか優しくて、溜まりに溜まった涙が一気に溢れた。
僕の肩が少し湿っているのを感じた。悠一もだったんだ。悠一も僕を探してくれてたんだ。その事が服越しに強く伝わってきた。
/ 150ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp